今回の民法等改正における「遺言制度の改正」は、主にデジタル化への対応や利用者の負担軽減、悪用防止を目的としており、大きく以下の4つのポイントに要約できます。
1. 新たな遺言方式「保管証書遺言」の創設(デジタル化への対応)
- パソコン等で作成した遺言のデータ(または印刷したもの)を法務局に保管申請し、本人が法務局の遺言書保管官に対して対面またはウェブ会議で遺言の全文を口述して保管してもらう新しい方式が創設されました 。
- オンラインでの保管申請や、ウェブ会議を利用した手続き(一定の要件あり)が可能になります 。
- 遺言書保管官による厳格な本人確認が行われるため、従来の自筆証書遺言で必要だった家庭裁判所での検認手続が不要になります 。
- 遺言者が死亡した際、あらかじめ指定しておいた者に「遺言書が保管されていること」を法務局から通知する仕組みが設けられ、相続手続きが円滑になります 。
2. 特別の方式の遺言(死亡危急時・船舶遭難時)の要件緩和
- 死亡危急時遺言:
- 従来は証人3人以上の立会いが必要でしたが、遺言作成状況を録音・録画することで、証人1人以上の立会い(ウェブ会議利用も可)で作成できる方式が追加されました。パソコン等で作成したデータを利用することも可能です 。
- 船舶遭難者遺言:
- 利用できる場面として、船舶遭難時だけでなく「大規模地震等の天災その他避けることのできない事変」が発生した状況が追加されました 5。また、口頭での遺言状況を録音・録画して特定の者に送信することで証人の立会いを不要とする方式なども追加されました 。
投稿日: 2026.07.17